イスラム教徒じゃないけどラマダンを一か月体験してみた
W杯ですね。
日本勝ってよかったー。
一方で初戦のロシアVSサウジアラビア、
5-0でワンサイドゲームだったので
サウジアラビア選手に同情した。
だってサウジアラビアは
ラマダン中だったわけですよ。
つまり日中断食してた。
イラン代表には断食免除の特例は許されないようだ。ヘーレンフェーン所属のFWレザ・グーチャンネジャードは「ラマダーンはトレーニングに影響しない」と語り、ハッサン・ロウハーニー大統領も「心が神と共にあれば、魂は必要な強さを見つけることができる」と、信仰心の強さが心身の強化に繋がるとの考えを明らかにしている。
辛すぎてイラン代表、いっきに応援したくなるやんけ...。
(なお相手はポルトガル、スペイン、モロッコの模様)
つかなんでラマダン中に開幕するんや…。
もしかしてラマダンってそんなにキツくないんか?
うーんでも、やったことないしなー。
正直わからない。
というわけで疑問を解決するために
一か月ラマダンをやってみた。
1:ラマダンの前知識と今回のルール
ラマダンって何よ?
wikipedia曰く
イスラム暦で9月を意味するラマダーンに、コーランが預言者ムハンマドに啓示され、イスラム教徒にとって、ラマダンは「聖なる月」となった。
この月において、ムスリムは日の出前から日没にかけて、一切の飲食を断つことにより、空腹や自己犠牲を経験し、飢えた人や平等への共感を育むことを重視する。
また共に苦しい体験を分かち合うことで、ムスリム同士の連帯感は強まり、多くの寄付や施しが行われる。
断食中は、飲食を断つだけではなく、喧嘩や悪口や闘争などの忌避されるべきことや、喫煙や性交渉などの欲も断つことにより、自身を清めてイスラム教の信仰心を強める。
俺も聖なる月にムスリムの連帯感を育んでみたい。
(ムスリム(イスラム教徒)ではありません)
イスラム歴は太陰暦なので毎年9月が
太陽暦だと11日ずつズレてる。
なので、開始日と終了日がわかんなかったんだけど
「ラマダン」
とgoogle先生と打ったら
こんな感じで出る。
5/16(水)~6/14(木)ね。
本来は「娯楽も制限する」などの色々なルールがあるけど、
今回は体験してみるだけだし、イスラム教徒でもないので
以下の自分用ルールでやってみる。
<ルール>
- 日の出から日の入りまで飲み食い禁止
- 飲酒禁止
- なるべく豚肉を食べない
(豚肉エキスとか結構入ってるので努力目標) - 礼拝時間になったらメッカの方向に軽く会釈
(職場でガチ礼拝出来ないし…)
<中止条件>
- 体の異変が出たら中止
「元々朝飯食べないし、昼飯抜くだけだから楽勝やろ!」
そう思ってた時期が私にもありました…。
2:体験記
一週目(5/16(水)~5/22(火))
・1日目(5/16(水))
「昼飯食べないだけだから楽勝やろ!」
と思ってたが、
「朝起きてから12時間以上何も飲まない。」
コレがこれほど、キツイとは思いませんでした。
渇きがヤバイ。
唾が甘く感じる…。
仕事中にずっと脳内で「渇いた叫び」
が頭の中で流れる。
駆け引き~が鍵~♪
日が沈んでから飲んだ綾鷹は
おそらく人生で一番上手いお茶だった。
あの綾鷹飲んだ後に二杯目にやや熱めの茶を、
最後に熱い茶を少量出されたら、
石田三成を小姓として迎えてしまうかもしれん。
・2日目(5/17(木))
日の出前に起きて、飲み物だけ飲んで二度寝。
そのおかげで日中の喉の渇きは抑えられた。
昨日はメッカの方角を調べるのに苦労していたが
便利なアプリがあることに気づく。
キプラっていうらしいぞ。
メッカに行ってみたら
これ表示どうなるんだろ…。
・3日目(5/17(金))
会社の飲み会イベントが発生。
飲酒は禁止したので、
「この後、運転しないといけないので(大嘘)」
で乗り切る。
週末は家にいて、特に何もなかった。
二週目(5/23(水)~5/30(火))
・平日
この頃になると慣れ始める。
同僚が出張から帰ってきて渡してくれた御土産を
日中食べるわけにいかないから
机の上に御土産が溜まっていく。
通りもんはもういらないんじゃ!
・週末
奥多摩に登山に行く。
カモシカに会ったりした。
最初は余裕だったが、
数時間歩いてあることに気づく。
渇きがヤバイ…。
下山中に頭が痛くなり始め、
顔が酒呑んだみたい真っ赤になる。
なんじゃこれ…。
と思ったけど、今考えると脱水症状ですねコレ。
後日、調べたらラマダンでも旅行中は飲食して良いらしい。
辛い思いして損したわ。
三週目(5/31(水)~6/6(火))
朝起きたときにヤツはやってきた。
左の足首がクソ痛い。
持病の痛風である。
(祖母も父も痛風の痛風家系。)
水分をあまり飲まなかったことが恐らく原因。
痛いのでいつも行ってる医者に行く。
女医「ちゃんと水分飲んでる?」
ワイ「いや…ラマダン中なんで…」
女医「え!???イスラム教徒だっけ?」
ワイ「違いますけど、体験してみたくて…」
女医「………バカ?」
<中止条件>
- 体の異変が出たら中止
というわけで私のラマダンは20日くらいで終わりを告げる。(ドクターストップ出た)
申し訳ない気持ちでいっぱいになるが
そもそも誰に謝罪すればいいのか…。
最終週
・最終日(6/14(木))
ラマダン始める前に
「最終日に東京都渋谷区の代々木上原にある、日本最大のモスク
『東京ジャーミィ』で夕食を食べたい。」
と思って、予約を入れておいた。
失敗して申し訳ないんだけど…。
予約を無駄にできないので
『東京ジャーミィ』に来てみた。
外装も内装もカッコイイぞ!!
19時になったら、食事が配られる。
(全て無料)
食べるところで男女別に分けられる。
料理は結構美味しそう。
300人くらいホールにいて、
食べ終わって帰ろうとしたら、
まだ配るところで数百人以上並んでいる。
ここで色んな人が集まって交流するんやな。
出来れば、あなたたちと同じ苦しみを味わいたかった…。
3:やってみた感想
飲み物を自由に飲めないのが、こんなに辛いと思っていなかった。
てのひらサイズのミイラになるかと思ったわ。
20日くらいやってみて以下の事を感じた。
- 同じ苦しみを味わっているイスラム教徒への親近感。
- 断食していない人たちを蔑むことによる優越感。
- 夜に大量に飲み食いするので健康状態が悪化(太った)。
これは信仰心高まりますわ。
実際にラマダンで外出が制限される上に
夜に糖質を過剰摂取するので糖尿病になる信者が多いらしい。
(イスラム教徒は酒が飲めないのでお菓子を大量摂取しがち)
インスリン治療が必要な糖尿病患者は、病人として断食を免除されるんだけど。
(それでも断食したい人が多いとか)
また、これ日本なので19時過ぎに飲み食いできるけど、
ヨーロッパとかの緯度が高いところだと
「夏は10時すぎに日没。」
というところも多いし、ハードモードすぎるでしょ
シリア難民の人たち、わざわざ欧州行ってラマダン・ハードモード選択したんか…。
これはイスラム圏の人たちはラマダン中に仕事するの大変そうだなー。
と思って、イスラム圏の労働法を見て驚く。
ラマダン月間中の労働時間は、週 36 時間、1 日 6 時間に短縮される。
それ以上はしてはならない。
(残業は禁止。)中東・北アフリカ諸国の労働法制度(アラブ首長国連邦(UAE)・サウジアラビア・イラン・トルコ・エジプト)(2012年3月) | 調査レポート - 国・地域別に見る - ジェトロ
アッラーフ・アクバル!(アッラーは偉大なり)