日本のガラパゴス禁煙政策は何故失敗したのか
最近、完全禁煙化の話題が多いですね。
自分は6年前までは元喫煙者で
辞めてから一本も吸っていない。
ちなみに当時はガラム・スーリヤ・マイルドを吸ってた。
マイルドって名前だけどタール33mg。
これ吸うとハイライトすら空気に感じるヤバイ奴。
引っ越して気軽に買えなくなり(コンビニで売ってない)、
他の煙草が空気だったためスパッと辞めれた。
(禁煙したい方はタールきつめの煙草を吸おう)
禁煙して以来、レストランとかは禁煙席にしか座らない。
煙草臭いから飯不味くなるし。
(元々喫煙してた時もレストランとかじゃ吸ってなかったけど)
また、外からも見ても煙たそうな店とかに入らないし、喫煙スペースには近づかない。
なので現状でも
「タバコの煙とは無縁の生活を送る事」が日本では可能だと思っていた。
しかし最近、喫煙者への締め付けが過去最大級に強い。
嫌煙家は
「最近の厳格化は日本は海外から遅れているから!海外に見習え!」
って良くいうけど、コレ半分合ってて半分間違っているんだよね。
真の主な原因は『日本独自様式の限界が来ている事』。
携帯とかで御馴染みのガラパゴスですよ。
なぜそうなったのか?
以下の点で説明する。
1:実は海外の方が喫煙者が多い
「世界的に喫煙者は減ってきている!いずれ煙草は全滅する!」
のような、森に住むエルフみたいな扱いを受けている喫煙者だが
実はこれは嘘。
世界的には喫煙者は増加傾向にある。
なんでかというと
中国とか東南アジアで喫煙者が増加しているから。
人口の暴力ですよ。
中国など新興国で喫煙率急上昇、世界的な「たばこ後退」に逆...|レコードチャイナ
「いや、他の先進国ではもはや喫煙してる人などいない!
ロンドンやパリでは煙草は全滅したのだ!」
嫌煙過激派の人達が良くこういう事言っているけど
これもぶっちゃけ嘘。
日本の喫煙率は18.5%くらいで
イギリス17%
オランダ19%
フランス24%
と、ぶっちゃけ他国と大して変わらない。
Health risks - Daily smokers - OECD Data
というか欧州は移民が喫煙率高いからね。
(東欧が特に高い(50%越えも) )
日本も今後、外国人労働者を増やす予定なので
喫煙者が減る事はあっても全滅レベルまで激減することは恐らくない。
また、ロンドンやパリ行った人ならわかると思うけど
割りとそのへんでスパスパ吸ってる。
じゃあ巷でよく言われている
「海外では完全禁煙化が進んでいる」
とは何か?
これは
「部屋の中は禁煙。外では吸っていいよ。」
という意味。
(↓店内だと吸えないから店の外でビール片手にタバコ吸ってる客(ロンドン) )
なので、歩きタバコし放題。
吸い殻もそのへんに落ちまくり。
ポイ捨ては規制されてるはずだけど...。
(↓ロンドンの道端)
日本とは逆。
なぜそのような完全禁煙化政策なのか。
2:海外の禁煙政策(室内NG・路上OK)の理由
タバコは体に悪い。
んなことみんなわかってる。
でもそんな事言ったら酒とかもっと体に悪いわけですよ。
なんで酒は規制されないの?
その答えは
「タバコは周りの人の健康も害するから。」
吸ってる本人よりも副流煙吸った周りの人のほうが健康被害があるのは周知の事実。
酒は飲んでる本人にしか影響がない。
安楽死等で死ぬ事すら自由な欧州では
「酒・タバコ・マリファナ、自己責任で好きにやれ!
ただし、他人に迷惑かけるなよ!」
というスーパー個人主義が現在のメインストリーム。
で、迷惑かかる『他人』っていうのは誰よ?
具体的な登場人物は以下の通り。
- 喫煙スペースに出入りする従業員
- 喫煙者の子供
喫煙スペースに出入りする従業員
- 喫煙スペースで働く従業員は煙を吸ってしまう。
- ってことは室内に喫煙スペースがあると働く人の健康を守れない…
- せや!室内全面禁煙にして、店の外で吸ってもらおう!
うーん…。美しい論理思考。
確かにド○ールの喫煙スペースのテーブル拭いてる店員の子可哀相だわな。
日本と違って従業員を大切にする文化、大事にしてほしい。
喫煙者の子供
- 喫煙者と一緒に住む子供は煙を吸ってしまう。
- ってことは室内に喫煙可にすると子供の健康を守れない…
- せや!室内全面禁煙にして、部屋の外で吸ってもらおう!
うーん…。美しい論理思考。
子供には選択権がないんだから、しょうがないね。
ここでいう「部屋の外で吸ってもらおう!」の『部屋』とは以下の通り。
- 喫煙者が子供と行くレストラン
- 喫煙者が子供と住む自宅
- 喫煙者が子供を乗せて運転する車。
つまり、「例え自分の車であろうと子供が乗ってる場合は車の中は禁煙」
という国もある。
はえー欧米だと室内でタバコ吸えないから喫煙可能な店やホテルないんだ…
と思うが、実は自治体による許可制なので吸えるところ沢山ある。
(だってマリファナ吸える店があるんだぜ)
要は煙を吸いたくない従業員と子供さえいなきゃいいのだ。
3:日本の禁煙政策(室内OK・路上NG)の理由
日本も以下のような考え。
「酒・タバコは自己責任で好きにやれ!
ただし、他人に迷惑かけるなよ!(ただしマリファナは禁止)」
なんだ欧米と同じじゃん!
と思うが『他人』の定義が違う。
具体的な登場人物は以下の通り。
- 近所の住民
- よその子供
近所の住民
- タバコによる火災や吸い殻のポイ捨てが多い。
- ってことは危ないし、景観を損なうので不動産価値が落ちてしまう。
- せや!路上全面禁煙にして、部屋の中で吸ってもらおう!
うーん…。美しい論理思考。
この理屈のおかげでタバコによる火災は減少傾向になる。
破ったら村八分。
住宅防火情報|住宅防火関係 住宅用火災警報器を設置しましょう!|消防庁予防課
よその子供
- 歩きタバコの人が多い。
- ってことは子供の目線にタバコがある場合もあるし危ない。
- せや!路上全面禁煙にして、部屋の中で吸ってもらおう!
うーん…。美しい論理思考。
美味しんぼでも山岡士郎の子供が顔に歩きタバコの火を押し付けられて怪我する回あるしね。
(その後、山岡士郎が怪我させた奴に説明なく殴りかかったせいで危うく士郎が捕まりそうになる)
この二つの理屈もこれはこれで正しい気がするが、
なぜ日本は欧米と思考が違うのか。
4:そしてガラパゴスへ
なんで欧米と禁煙に対する思考が違うのか。
それは日本は『世間様に迷惑が掛からないように』という意見が強いのでこうなる。
逆にいうと身内(従業員、自分の子供)はどうでも良いという事。
実は中国・タイ・インドネシア・ロシアなどは10年前は
日本の禁煙政策(室内OK,路上NG)を真似してやろうとしていた。
これに
「従業員・子供の人権を軽んじている!」
と欧米の人権活動家が激怒。
非難に対して
「私達は子供の人権を守ります!」
というポーズを取りたい国々は急遽方針を変更。
欧米の禁煙政策(室内NG,路上OK)に一斉に従った。
子供を出されると全員がひれ伏す素晴らしい流れ。
トランプ「子供に毒ガス吸わせたからシリア空爆したわ」
習近平「えぇ……まぁ子供が被害受けてるならしょうがないね。」CNN(トランプの理論ガバガバでは??)
と天下の習近平国家主席ですら子供の人権の前では弱い。
こうして日本は人権後進国として取り残された。
5:国際標準になるためには
先ほども言ったが
世界的には喫煙者は増加傾向にあり、日本は外国人をどんどん受け入れる方向なので
喫煙者が劇的に減ることは恐らくない。
なので喫煙者と向き合っていく必要がある。
個人的には海外よりも今の日本の方がタバコの煙を浴びる可能性は低いと思う。
だって煙たい店行かなきゃいいだけだし。
(ドイツのデュッセルドルフ行ったら、歩きタバコの人にジャケット焦がされた。おのれゲルマン)
「タバコの煙を浴びたら即死亡」
というゲームをしたら
欧米よりも日本の方がおそらく生き残れる。
役人と企業の能力が中途半端に高いから
変な風に特化して進化しちゃったという、日本お得意の奴。
Suicaみたいなもんね。(過剰性能すぎて取り回しが悪い)
でも、「欧米だと屋外で吸いまくってるし日本でもそうするかー…」
とはならないと思う。
だって『世間様』が許さないし。
かと言って
「屋内も路上も完全禁煙!
タバコ吸うやつは強制収容所行き!」
も現実的じゃないよな。
こう思うと
「室内全面禁煙!!!
ただし客席面積が100平方メートル以下の店は喫煙可能!」
という国が提示するガバガバ法案が実は優秀だと思えてくるんすよね。
でもなー。
北朝鮮ですら室内全面禁煙を進めてるんだよなー。
金正恩のキモ入り政策らしいぞ
北朝鮮以下にはなりたくないし、やっぱ路上禁煙は諦めて、
室内NG・路上OKの国際標準に従うしか…
(室内全面禁煙を指示した後
平壌の中学を現地指導する偉大なる金正恩総書記。↓)