なぜ#MeToo運動は失敗してしまったのか
#MeToo運動の告発者が少年に性的暴行を加えたとかで大騒ぎですね。
件のセクハラ映画プロデューサーのワインスタイン氏にレイプされた女優が告発されたとか。
ニューヨーク・タイムズによると
過去に共演した少年に性的暴行をしたとか。
う~ん。芸能界怖い。
これを受けて
#MeToo運動自体も批判にさらされている。
一個人の問題だから関係なくない?
と思うんだが、まぁ#MeToo自体もそういうものだったし…。
なんか最近#MeTooへの評価もネガティブなものが多い。
あんなにかつては勢いがあったのに…。
なんでこうなったのか?
疑問に思ったので調べてみた。
1:#MeToo運動の経緯と現在
#MeToo運動がどんな運動か、軽くおさらいすると
以下のような物。
<密室にて>
権力者「ぐへへへへへ。ええ体してるのう…」
部下「気持ち悪い!誰か助けてー」
権力者「仕事で不利になりたくなかったら…わかってるね?」
部下「………はい…」<数年後>
部下「権力者からセクハラを受けた!」
大衆「けしからん!権力者を殺せ!」
権力者「社 会 的 死 !!!!!」
大衆「やったぜ」
告発する人が
「私も同じ扱い受けた!(Me too!)」
と告発したから#MeToo運動。
う~ん。必殺仕事人的な復讐劇。
つまり
「地位や権力がある人物が立場の下の人物に
性的な行為をした過去を告発する」
と言った物。
今まで抑圧されて泣き寝入りしてた人たちが
次々と過去を暴露して、ビッグネームが次々と挙がったので
全世界で一大ムーブメントに。
セクハラ三昧だった鬼畜な奴らを次々と駆除した。
(解雇させたり、逮捕まで行ったり)
250人以上にセックス同然の事を強要した
体操アメリカ代表のチームドクターには、懲役150年長の有罪判決だったしな。
今まで抑圧されてきた者たちが勝利を掴んだ!!!
……………………本当に勝ったのか?
なんか社会が思ったより変わってなくない???
というか前よりもギスギスして悪くなってないか?
こんな感じで明確な好影響が見えてこないので
最近は
「#MeToo運動は失敗に終わった」
とか
「#MeToo運動は暴走して本来の意味を失った」
とか言われている。
なぜこのようになってしまったのか?
野党:セクハラ疑惑に抗議 黒い服で「#MeToo」 - 毎日新聞
2:#MeToo運動が失敗した原因
なぜ#MeToo運動は暗礁に乗りあげてしまったのか?
その要因は以下の通り。
- 明確なゴールがない
- 主な活動が有名人への個人攻撃
- 個人攻撃の魔力に憑りつかれた
- 男女間対立に矮小化した
・明確なゴールがない
ぶっちゃけこれが一番大きい。
「#MeToo運動って最終的に何を目指してるのか?」
この疑問に対する回答が一致することはないと思われる。
黒人解放運動だったら、黒人の法的差別の撤廃を目指したり
LGBT運動だったら、同性婚を認めさせたりする
明確なゴールが存在した。
しかし#MeToo運動にはそんな明確なゴールはない。
ふわっと「『差別/セクハラ』絶対許さない!」
と言ってるだけで
「じゃあどうすれば『差別/セクハラ』が防げると思う?」
という疑問に対する回答に答えていなかった。
法的には男女の機会平等は担保されているから、ゴールを設定できないんすよね。
こうなると#MeToo運動に参加する意義が見えないうえに
活動状況が上手くいっているかどうかもわからない。
継続的に話題になって限り、
「#MeTooってオワコンだよな」
と言われ続ける宿命。
TV出ないと「消えた」と言われ続ける
一発屋芸人みたいな。
・主な活動が有名人への個人攻撃
元々、セクハラしているゲス権力者を殺すために始めた運動であるため
主な活動は
「セクハラ野郎をメディアやSNSで吊し上げて社会的制裁を与える」
であり、当初は上手くいってるように見えた。
しかしこの個人攻撃は
- 社会的制裁のために加害者がそれなりに有名人。
- 訴えるために被害者もそれなりに有名人。
- メディアに近しい業界しか効果がない。
という
「アンデッドモンスターに復活魔法をかけると即死する」
みたいな限定的状況のみ使える戦法であり、
全ての虐げられている弱者が使える魔法ではなかった。
だって
「コンビニの店長がケツ触ってきた」
というアルバイトの告発を聞いて社会的制裁加えられるんかいな。
個人攻撃という魔法を使えるのは選ばれし勇者だけである。
なので一般人はデモとかSNSで大騒ぎする事しかできない。
また、やり方にも問題があった。
・個人攻撃の魔力に憑りつかれた
行われた個人攻撃は
- 告発者の言い分を丸のみする
- 加害者の弁明の機会を与えない
という前提から始まったものが多かった。
これでは加害者の司法的な権利が一切ない。
お金が落ちてるのを拾って
「お前、このお金盗んだだろ!!!」
と警察に言われて牢屋に入れられるようなもんである。
「私は魔女ではなありません。」
「嘘つけ!お前は魔女だろ!」
と言って火あぶりにした「魔女裁判」に近い。
魔女裁判している側は快感を得るので加速度的に増えていき、
最終的には
「一緒にディナー食べた後に告白した」
(その後、フラれて何もせずにお互い家に帰った)
ってだけの行為を断罪し始めた。
(科学的には断罪している側は脳内に快感物質が出ているらしい)
流石にこの状況はマズイ、と気づいたフランス女優グループが
「魔女裁判やめーや」
と批判。
しかし、今度はこのフランス女優グループを
「既得権ババアはすっこんでろ!!!」
と個人攻撃をし始めた。
バーサーカーすぎませんか。
あまりものバーサーカー戦法に最初は#MeToo運動を支持していた人々の多くが離反。
しかし理性的な人々が離反したので過激派が多く残り、更にバーサーカー化。
ところ構わず攻撃し始めた。
・男女間対立に矮小化した
ここまで読んできて、
セクハラ加害者=男
セクハラ被害者=女
だと無意識に思っている人はバイアスにかかっている。
私はそんなことは一度も書いていない。
逆の場合もあるし。
オッサンが少年にセクハラする場合もあるし。
(ジャニ―喜多川とか)
事実、アメリカだと男性モデルが大物カメラマンを告発した例も出ている。
というか日本もオッサン行司が少年の部下にセクハラしたやん。
元々#MeToo運動は
「弱者が連帯して権力者と対峙する」運動であり
女性がオッサンを告発する運動だけではない。
しかし発端となったセクハラ案件や絶対的な数の多さから
いつの間にか男女間対立に矮小化。
バーサーカーが男性全体を攻撃し始めた。
ここで最初は#MeToo運動を支持していた男性の多くが離反。
#MeToo運動を敵視する新たな過激派も増えた。
バーサーカーへの防衛策として
「男性なら一対一で会うけど女性なら会わない」
という運用を開始。
(通称:ペンスルール)
つーか実際、財務次官が女性記者に悪さしたから
一対一で会うとセクハラする前例できているし
疑われてもしょうがないわな。
男と女で対応違うとか、これは新たな差別では?
しかも密室で若い男二人だけなら大丈夫とか想像力不足じゃないっすかね
3:まとめ
「弱者が連帯して権力者と対峙する」運動全体に言えることなのだが
この活動家が権力者になった時の振る舞いで運動の生死が決まる。
つまり権力者になった際に過去の言動と矛盾が発生した時点で支持を失う。
所謂ダブルスタンダード。
告発して注目された時点で新たな権力者になったのである。
この状態で過去のセクハラ加害者みたいな動きをすると運動自体が死ぬ。
過去の行いを反省していれば別に良いんだけど、
大抵の場合、開き直ってるパターンが多いので最悪の結果に。
(童貞イジリやめなかったり)
魔女裁判の裁かれる側になると弁明の機会を与えられないので死ぬしかない。
八つ裂きの刑を作った人が八つ裂きの刑で死ぬ的な。
正直、もっと上手くやれたと思うんですよ。
今、アメリカなどでは
「そもそもセクハラを生み出すのは『男らしさ』が原因である」
として『男らしさ』の解体という次段階に入っている。
『男らしさ』とは
- 男は感情を表に出さない
- 男性は一家の大黒柱
- 専業主夫は男らしくない
等の思い込み。
この『男らしさ』は男も女も関係なく持っていて
女性も権力者になると持ってしまうと言われている。
現に問題の発端のアメリカでは
「男らしい男性に魅力を感じるか?」
というアンケートで半数以上の方がYESと答えている。
(老若男女問わず)
これほど話題になってて、半分を超える人がYESって答えているってことは
多分、本心はもっとYESである。
これを改善しようと運動家たちは活動している。
つまり
「『男らしさ』とかいう下らない体育会系的な思考は捨てようぜ!」
が今の世界的トレンド。
体育会系はオワコン。
みんな社会的な性的役割を捨てて、徐々にユニセックス化していく。
全人類「男の娘・男装の麗人・ふたなり化」計画ですよ。
行こうぜ。ピリオドの向こうへ
(自分の性癖晒し)
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