中国故事から学ぶ、ヤバい会社とは？

先従隗始(まず隗より始めよ)

自分のTLである人がこんな事を言っていた。

プログラマは定時に帰らせると、勝手に成長してくれるし、コミュニティ内で自社をホワイト企業だってアピールしてくれて優秀な人材が入ってくるぞ
— うえした (@ueshita) 2015, 3月 17

これを見た時、私は
「まず隗(かい)より始めよ」
の中国故事を思い出した。

どんな話かというと

中国の戦国時代、郭隗(かくかい)が燕(えん)の昭王に賢者の求め方を問われて、賢者を招きたければ、まず凡庸な私を重く用いよ、そうすれば自分よりすぐれた人物が自然に集まってくる、と答えた。

と言った故事。

なんだ歴史臭くてわかりづらいので超現代語訳すると

社長「郭隗(中堅社員)クン、ちょっと良い？」

郭隗「社長、お呼びでしょうか。」

社長「優秀な人材取りたいんだけど、ウチみたいなベンチャー企業じゃ誰も来てくれないじゃん。どうすればいいんだよ。」

郭隗「社長、まずは私を【年収2000万・残業なし・年間休暇150日以上】の高待遇にして下さい。」

社長「ファッ！？　なんで？」

郭隗「私程度の人間がこんな高待遇である事が口コミで広まって「郭隗よりも優秀な俺はもっと良い思い出来る！」と言って優秀な人材がじゃぶじゃぶ来るようになりますよ。」

社長「なるほど。よっしゃ！さっきの待遇プラス郭隗クンの家も建てたるわ」

郭隗「やったぜ」

と言った感じ。
ちなみに家を建てたのは史実である。

この後、スーパー営業マン(名将)の楽毅等を手に入れてシェアを伸ばし(領土を拡大)この人事策は大成功する。

まぁこの後、社長が交代したらこの高待遇体制を解消しちゃって凋落するんだけど。

歴史から学ばない人

この故事から学ぶ事は
「優秀な人材を手に入れたかったら、今いる社員大切にしろや」
という事である。

ちなみにこの故事は史記に書いてある。
他にも史記では有名な「項羽と劉邦」
「項羽が家臣を大事にしないから人材が劉邦サイドに流れて負けた。」
と位置づけている。
待遇まじ大事ね。

しかも今の時代SNS等が普及しているので、労働環境等の情報は広がりやすい。

例えば昨年、すき家で起きた「鍋の乱」はまさしくこれをしなかったから問題が起きた。

大量に人が辞める
↓
アカンので高い時給で応募をかける
↓
しかし今いるスタッフたちの時給は据え置きなので、長年やってきたベテランよりも新人のほうが時給が高い逆転現象が起きる
↓
今いるスタッフたちの怒りが爆発。怒りがSNSに拡散
↓
高い時給にも関わらずSNSでブラックぶりが拡散してしまったので新規で入る人がほとんどいない。
↓
大量閉店

と言った流れだった。
「時給高くすればもっと良い人材来るで！」
と奢って今いるスタッフを大切にするという足元固めを怠った結果であった。

2500年前の社会実験でわかってた事。
残念ながら当然。

<a href="http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20140516/264787/?rt=nocnt">すき家「鍋の乱」で大量閉店の真相</a>business.nikkeibp.co.jp

声なきメッセージ

昨年のゼンショー(すき家)みたいなショッキングな内容が表に出ればわかりやすい。だが、社外からだと概ね企業内の様子はわからない。
しかも最近はSNS対策をしっかりしていて、外面は繕ってる企業が多い。

この手の企業がヤバい企業と見抜く為には、その会社に以下のような声なきメッセージを受け取って見分けよう。

その会社に入ってから音信不通になった人

一番アカンパターン。
この手の上司は
「会社が人生の全てだ！全て捧げよ！友人なんて社員にはいらない！」
と言ってのけるタイプ。
全然休めないから当然、転職も全然出来ない。
社会から隔離されてる点において正直、刑務所と同じ。

facebookに日々のランチの写真をアップして「日々に感謝」とか言ってる人

この手の人はマインドコントロールされている。
この会社はだいたい都心の一等地のオフィスビルに構えてて女性社員が多い。
社長が一代で築いた会社で社長の一党独裁。
女性社員は一定以上いるが大した仕事はさせない。
実質「社長の為の喜び組」としてだけ存在している。
社員は全員イエスマン。
悪い情報は出てこない。情報統制してるから。
新世代カルト教団。

なるべくこういうところには近づかないようにしよう。