進撃の巨人でわかる東芝の巨額損失
東芝が崖っぷちですね。
というかもう崖に落ちたかもしれん。
なんでここまでヤバいかというと
ぶっちゃけ3連続攻撃によって東芝ほどの巨体が耐え切れず死んだ。
燕返し。無明三段突き。天地魔闘の構え。
その3段攻撃とは
- 原子力事業の失敗
- 部門間対立で連携できない
- 隠ぺい体質による延焼
である。
殆ど東芝の内側から出てきたもんだけど。
糖尿病による合併症みたいな。
じゃあそれぞれどういう問題なのか。
進撃の巨人を交えて説明する。
1:原子力事業の失敗
そもそもこんなに赤字金額が大きくなってるのは殆どが原子力事業が要因である。
なんでここまでヤバくなってしまったかというと以下のような経緯があった。
2008年当時
アメリカ「あー原油高すぎてやってられんわ。火力とかオワコン」
東芝「原子力発電とかどうすか?」
アメリカ「いいね!じゃあ原発を作るってことで」
東芝「やったぜ」
(↓温暖化問題のために作った原子力発電の安全性に安心するアメリカ人)
2011年当時
東芝「福島第一原発がメルトダウンしちゃったンゴ…」
アメリカ「原発怖いから基準厳しくするわ」
東芝「え…いろいろ作るもの増えるから更にお金かかるんですが…」
アメリカ「もう金払ったんだからそっちでなんとかやりなよ。最初から増加分はそっちが払う契約やろ。」
東芝「」
(↓チェルノブイリ以来の20数年ぶりの原発事故に遭遇する人類)
2016年当時
東芝「はぁ…基準厳しすぎてもうお金払えない…撤退しよ…」
アメリカ「は!?(威圧) 作るって言っただろ!約束守れよ!」
東芝「じゃあ金ください」
アメリカ「えーでも今は石油安くなったから火力のほうが安いしー。ぶっちゃけ原子力なくてもいいしー。」
東芝「」
(↓撤退せずに原子力事業の継続を求める幹部社員)
アメリカの電力会社が正直かなりの畜生。
でも最初からそういう契約だからしょうがないね。
ちなみに2017年3月に
「東芝クン…原子力発電所…作らなかったら…
わかってるね…?」
と言いにアメリカの電力会社「サザン電力」のCEOがわざわざ来日してる。
オーバーキルすぎない?
纏めると大都市圏で放射能を撒き散らしまくったスリーマイル島事故のせいで
アメリカは長い間、原子力発電にビビりまくっていたが
それから30年近く経って、
「ま、大丈夫やろ」
と思って建設した。
恐怖心が和らいでいたのだ。
しかし建設中に福島原発事故が起きて人民は原子力への恐怖を思い出してしまった。
で、パニックで基準を厳しくしたのである。
石油依存を高めるためにコーク・インダストリーズ等の石油関連企業がロビー活動した結果とも言われている。
その日 人類は思い出した
ヤツら(放射能)に支配されていた恐怖を…
ちなみにアメリカは日本のように原爆を落とされた経験がないので日本人以上に放射能を恐れている。
というか放射能を浴びるとゾンビ化したりミュータント化したりするのを信じてる人、マジで多い。
まぁアメリカはミュータント化したカメが下水道の中で家を構えてピザを喰ってる国だから…
2:部門間対立で連携できない
問題の東芝、何がすごいかっていうと
という答弁をしてる点である。
なんでトップが事業計画を把握できてないんすかね…
(↓事業内容の全容がわからない幹部社員)
その原因は部門間対立にある。
部門A「あそこの部門に主導権握られたくないから弱みや事業計画隠しとこ」
部門B「部門Aがなんかやっとる…あいつらに負けたくないから俺らも隠したろ!」
社長「まぁまぁ…二人とも…」
部門A&部門B「社長は黙ってて!」
社長&雪歩「うう、ひどい~」
って感じのやりとりが横行してた。
これ大企業だと少なからずどこでもあるよな。
出身部門で待遇変わったり、キャリアコースが違ったり。
(↓志望する部門を訊かれた新入社員)
また特に原子力部門は「聖域」扱いされており、部門内以外だと全く何やってるかわからなかった。
というのも原子力発電は高度かつ複雑なシステムで、部外者には理解しがたい側面があるためだ。
(↓原子力部門の説明が1ミリもわからない他部門社員)
東日本大震災で専門家がTV出て説明してたけど、一般市民には何言ってるかチンプンカンプンだったのは記憶に新しい。
で、あのチンプンカンプンさを経営会議でも爆発させていたらしい。
社長「じゃあ原子力事業なにやってるか説明して」
原子力部門「パルスのファルシのルシがコクーンでパージ」
社長「????? まぁ…黒字になるなら…」
という事態。
(↓ 原子力部門が黒字化するか不安になり詰問する取締役会)
これで原子力事業は
「どうせあいつら(経営陣)わかんねーから好き放題やるわ!」
と好き放題してた。
そして今に至る。
(↓ 投資を促す原子力部門)
3:隠ぺい体質による延焼
ここまでだったら、経営者による判断ミスと社内風土の問題で
「あー大博打に失敗した上に会社の体質がウンコだったから終わったのかー」
程度のものだったが、最大の問題はそこではない。
問題は
「その失敗を隠して、取り返しがつかなくなるまで放置した事」
にある。
どういうことかというと
「めっちゃ大損してるのに儲かってたように見せるためにインチキ」をしていた。
ぶっちゃけ不正会計。
(↓損失隠しの瞬間)
部下には「チャレンジ」という隠語を使って実質指示していた。
上司「チャレンジ一年生!」
部下「(1年、会計を飛ばすことで赤字を隠せってことだな…)」
今、流行の忖度ですよ。
(↓ チャレンジを促す上司)
そして、表向きは黒字で順調な企業であると見せてた。
しかし、中身は何も変わってないのに赤字は垂れ流し続ける。
対策立てると不正がバレちゃうからね。
こうして数年間インチキを続けた結果、もう隠しきれなくなるまで赤字が莫大になってしまった。
めんどくさいからレンタルビデオ返さなくて、延滞金がとんでもない金額になっちゃった的な。
(↓ ここ数年、本当は巨額の赤字続きだということを知り、パニックになる東芝社員)
まとめ
誰が一番いけなかったのか。
原子力事業が大損こいたまでは良いとして問題は巨大損失を隠ぺいして傷を深めたことである。
ぶっちゃけ隠ぺいを指示した経営陣のせいっしょ。
ここまで原因が明らかだと流石に本人もそのことは気づいてるやろ!
よっしゃ、反省の弁を見るために決算発表みたろ!
↓
4/11 決算発表
経営陣「我々は最善を尽くした(逆ギレ)」
!?????
次回は「もはや労働者の敵? 労働組合」について書きます。
<今回の参考図書>
徹底したdisり芸。
もう東芝消えてもしょうがないね。シネヨ!って本。