痩せるコーラ

自分が考えている事をまとめます。毎週木曜21時更新(予定)

真逆のフランスと韓国の経済政策 どちらが勝つのか

フランス大統領のマクロンの支持率が急落してますね

www.nikkei.com

これはなんでか。

端的にいうと
マクロン「グローバル主義についていけるエリートだけ俺についてこい!庶民?知らん!」
選挙時から言ってるのをマクロンは実行してるだけ。

しかし国民からすると
「裏切られた!!!」
大慌てしてる状態。

投票する時はちゃんと主張を聞こうね。

大統領選については過去記事参照。

www.yaserucola.com



一方、こんだけ北朝鮮に対する優しすぎる態度で叩かれてるにも関わらず
韓国のムン・ジェイン大統領は依然として支持率が高い。

japanese.yonhapnews.co.kr

これはなんでか。

端的にいうと
ムン「グローバル主義に取り残された庶民の所得を増やす!エリート?知らん!」
選挙時から言ってるのをムン大統領は実行してるだけ。

国民からすると
「やったぜ!俺らの大統領!!!」
歓喜してる状態。

というマクロンとは真逆になっている。

なんでこういうことになったのか、各国にスポットを当てて説明する。

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1:フランスの場合(成長重視)

フランスの場合、国のイメージ通りに労働者の権利が強い。

どれくらいかというと

  • 労働時間は週35時間まで
  • 有給休暇5週間は絶対保障
  • 日曜はどんな業種であろうと休業
  • 産休、育休制度は充実
  • 3週間以上の長期休暇(通称バカンス)を取る人が多い
  • 解雇規制が厳しくほとんど解雇できない

通称「労働者天国」と言われている。

しかもライフスタイルの多様化で年々手厚くなってたりする。
この結果、どうなったかというと

経営陣「人増やしてないのに人件費がどんどん増えていくンゴ…」

という状態に。

企業が儲かればいいじゃん!
と思うかもしれないが近年のGDPはこんな感じで実質ゼロ成長。

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ソシャゲで数百円課金レベルの
微妙な成長率である。

しかもフランスはEUで割を食っている国の一つ。
ドイツに製造業は負けっぱなし
労働者がキレてドイツ製品の締め出しをしたくらいである。

業績が悪化するとリストラなどの人員整理が定石手段だが
解雇規制が厳しくほとんど解雇できない

ということでここからは日本でも起きているお決まりコースである。

経営陣「人件費がどんどん増えていくンゴ」
経営陣「でも規制が厳しくて解雇できない」
経営陣せや!若者の採用やめたろ!

フランスの場合ここに
経営陣「せや!不法移民だけ採用したろ!」
も足されるから怖いね。

ここからは日本も経験したお決まりコース。

若者全然、就職できませーん!
オッサン「選ばなければ仕事はある!甘えるな!」
若者「よーし!キツイ仕事でもいいから応募するぞー」

経営陣不採用
若者「」

就職氷河期やんけ!
(フランスの若者失業率は20%を超えるので日本の氷河期よりも酷い)

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このままだとアカンと思ったマクロンは何をしようとしてるかいうと
単純な話で

  • マクロン「せや!解雇しやすくしたろ!
  • マクロン「せや!労働時間も伸ばしたろ!
  • マクロン「せや!有給休暇も減らしたろ!

という労働者からすると悪夢みたいな政策である。
まぁこれでも日本の労働環境と比べるとヌルゲーなんだけど。

つまりマクロンがやっていることは以下のことで

  1. 労働市場を流動化して若者の失業率を下げる
  2. 企業経営を効率化してグローバルでの強みを発揮させる
  3. グローバル化した企業が大きな儲けを出して国内経済が潤う
  4. 庶民も豊かになる

というガバガバ発想。

通称「トリクルダウン
成長重視の政策である。

そしてこれをやって上手くいかなかったのが昔の韓国である。

(↓トリクルダウンのイメージ図)

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2:韓国の場合(分配重視)

韓国は建国以来ずっと
サムスンヒュンダイのような『財閥』と呼ばれる企業が牽引してきた。
日本でも名前は有名よな。

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で政界も

  1. 財閥を国が支援してグローバルでの強みを発揮させる
  2. グローバル化した企業が大きな儲けを出して国内経済が潤う
  3. 庶民も豊かになる

というガバガバ発想で行っていた。

うん?どっかで見たような。

しかしこれは今上手くいってないと言われている。

韓国GDPの中で財閥の儲けはおよそ8割近いと言われているが
その儲けを得ているのは国民の1~2割。

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つまり8割近い人はグローバル化した企業の大きな儲けの旨みを受けていない。

こうなるとどうなるかいうと

  1. 財閥に入らなければ意味ないから大学受験に全力投球し、教育費が高騰。劇的な少子化
  2. ただでさえ少ない若者たちは韓国にいても希望がないからアメリカ等に移住。しかも優秀な奴から去っていく。
  3. 国内経済が潤ってないので国内で経済が回らない。そのため新規産業が育たないのでますます財閥の力が強くなる。
  4. 1に戻る(無限ループ)

という状態。
「ヘル朝鮮」という比喩が韓国国内で生まれたぐらい。

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この事態を重くみたムン大統領は何をしようとしてるかいうと

  • ムン「せや!最低賃金を50%くらいあげたろ!(時給1000円ぐらい)」
  • ムン「せや!非正規社員は原則禁止にして全員正規社員にしたろ!
  • ムン「せや!解雇規制厳しくしたろ!

という労働者には神のような政策である。

で結果、今どうなりそうかというと
中国との関係が悪化し、業績が悪いので

経営陣「せや!若者の採用やめたろ!」

ヘル朝鮮の名前は伊達じゃない!

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3:まとめ

要は今まで

過度に分配重視すぎたフランス

過度に成長重視すぎた韓国

の揺り戻しが起こっているだけと言える。

今の日本の政策はどっちかというと
ぶっちゃけ成長重視。

しかし働き方改革や経団連への圧力から
政府「おらぁ!賃金もっと払えや!」
という分配政策も一応やっている。
最低賃金上げたり。

まぁポーズだけかもしれんが。

賃金上げたら国内経済回るから賃金上げて!(必死な願い)

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よっしゃ!俺が先んじて国内経済を回すためにソシャゲでガチャを引いてやる!

うおおお!来い!マーリン!!!

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うおおおおお!

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結果

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