なぜカンボジアの民主主義は崩壊してしまったのか
カンボジアが、にわかに話題ですね。
カンボジアといえばアンコール・ワットとポル・ポト(偏見)
あとウェイ系学生が就活前に焦ってボランティアに行ったりとか。
(スラム街行って写真撮ってくるだけだったりする)
こないだも大学生が
「スラム街(カンボジア等)に行きたいから金くれ!」
って言って炎上した記憶が新しい。
そんなカンボジアだが、こないだ選挙があった。
与党が全議席獲得という完全試合。
野党は画面端でハメられて何も出来ないまま死んだのかな?
と思ったら
選挙前に野党が強制解散させられてる。
敵がいなかったら、そりゃ勝てるわな。
「対戦モードで友達がいないから2P側で操作する人がいなくてワンサイドゲーム」的な
虚しいなぁ…。
なんでこのような事態になったのか。
以下の順で説明する。
1:中国とソ連の代理戦争
カンボジア、場所はどこかというとココ。
東南アジアだと比較的大きな国のタイとベトナムに挟まれた可哀相な国。
なので13世紀あたりから
タイ「お前どっちの味方なんや ああん?」
カンボジア「ひー!もちろんタイ様の味方です!」ベトナム「は?耳が遠くなったかな?もちろん、オレの味方だよな?」
カンボジア「ひー!もちろんベトナム様の味方です!」タイ&ベトナム「むかつくから軍隊送って占領するわ!」
カンボジア「」
という歴史を数百年続けてた。
耐えかねたカンボジアは
カンボジア「タイとベトナムの言いなりになるくらいだったら、欧米の植民地になったるわ!」
と言って、フランスの植民地に。
まぁベトナムも仲良くフランスの植民地になるんだけど。
第二次世界大戦の時に
日本軍がやってきたり、フランスがドイツに負けたり
そんな感じのどさくさに紛れて戦後すぐに独立。
その後、アメリカ寄りの政権が出来たりしたが、
アメリカはベトナム戦争に負けて覇権を失う。
結果的にお隣のベトナムはソ連の影響力が強い国に。
「このままだとカンボジアもソ連の配下になってまう!」
と危機感を抱いたのは同じ東側陣営なのにソ連と仲が悪い中国である。
中国は反ソ連・反ベトナムの運動家を擁立して、中国の影響が強い政府を作った。
その時、擁立された運動家こそ有名な「ポル・ポト」である。
大人は汚れてるという理由で大人を殺しまくって、子供に医者やスパイをやらせてた畜生。
中国寄りの政府(ポル・ポト)が面白くないソ連は
「カンボジアのゲリラ軍を支援して僕だけのカンボジア政府を作ろう!」
と画策。
つまりこのようになった。
中国「お前どっちの味方なんや ああん?」
カンボジア「ひー!もちろん中国様の味方です!」ソ連「は?耳が遠くなったかな?もちろん、オレの味方だよな?」
カンボジア「ひー!もちろんソ連様の味方です!」中国&ソ連「むかつくから軍隊送って占領するわ!」
カンボジア「」
これを30年近くやってた。
立地が悪いよー立地が。
外務省: わかる!国際情勢 Vol.3 カンボジア総選挙 民主化に向けた日本の支援
ソ連が崩壊してからもやっていたため、
国際社会「お前ら、ええ加減にせーや!」
とブチギレ。
対立してた勢力も資金が尽きてきたので
しぶしぶ了解。
中国派とソ連派の両方を立てるために
国際社会「首相は2人!(中国派1人、ソ連派1人) これでいいね!」
という謎の状態に。
そしてこの時選ばれた首相の一人がまだカンボジアの首相。
もう30年もトップにいる。
その男の名は「フン・セン」。
(↓フン・セン)
2:フン・センという男
このフン・センという男、
中国派とソ連派どっちの首相だったかというとソ連派。
ベトナムに亡命してたくらいだし。
でもコイツ、今は親中派である。
なんで心変わりしたのか?
実は以下の要因がある。
- 元々、中国系カンボジア人。
- ポル・ポト派の離脱者
- 独裁思考が強い
・元々、中国系カンボジア人。
元々、中国からの移民を先祖に持っている中国系カンボジア人で
フン・センは漢字で「雲昇」と書く。
なので一番最初は中国派の軍人でポル・ポトの一味であった。
(実は戦闘で負傷して左目を失ったので左目は義眼である)
じゃあなんでソ連派の首相になれたのか。
・ポル・ポト派の離脱者
なんで元々、中国派だったのにソ連派に鞍替えしたのか。
それはポル・ポトがヤバすぎて殺されそうになったから。
ポル・ポトは以下の理論を展開していた。
ポル・ポト「ワイが素晴らしい政策をやってるのに全然国が発展しない。」
ポル・ポト「知識階級をぶっ殺して、貨幣も廃止して、国民みな農民にしてあげたのになんでやろなぁ…。」
ポル・ポト「わかった!それはスパイとかがいてワイの素晴らしい政策を妨害しているからや!」
なんやねんコイツ…。
というわけで部下をスパイと疑って殺しまくり。
当時部下だったフン・センは命の危機を感じて逃亡。
ソ連派に転じた。
そんな感じでリーダーになって
内戦後にソ連派の首相に。
でも二人も首相いて、うまくいくんかね?
・独裁思考が強い
フン・センは考えた。
フン・セン「自分は首相だけど、もう一人首相いて邪魔や!」
フン・セン「せや!もう一人は追放しまおう!」
ということで中国派の首相は追放。
これに国際社会は激おこ。
国際社会「おま…せっかく民主化したのに何やってんねん!」
フン・セン「ええやろ!俺たちの勝手や!」
国際社会「このまま独裁化を進めたら、お金あげないよ」
フン・セン「ぐぬぬぬぬ」国際社会「ちゃんと民主的に政治しような!」
フン・セン「わかりました...」
これが2010年くらいまでの出来事だった。
しかし最近は
国際社会「このまま独裁化を進めたら、お金あげないよ」
フン・セン「ぐぬぬぬぬ」中国「独裁化進めてもワイがお金あげるよ」
国際社会「な!?ちゃんと民主的に政治できるよね?」
フン・セン「お金くれない奴の言うことなんて聞く必要ないよね!」
国際社会「」中国「やったぜ。」
という状態。
(世界発2018)カンボジア選挙、割れる国際支援 関与深める中国、日本は懸念:朝日新聞デジタル
これは中国寄りになりますわ。
3:中国の属国に
独裁しても中国がお金をくれると知ったカンボジアは独裁化の道を進む。
具体的には
- 政府に批判的なメディアは逮捕&閉鎖。
- 野党のリーダーを逮捕。野党は解散。
- SNSで政権批判した若者も逮捕。(2年間牢屋行き)
メチャクチャやんけ。
これでフン・センは自分の思うままに政治が行えるように。
与党が全議席獲得という完全試合
はこの流れで行われた。
フン・セン「ありがとう中国様!」
フン・センは中国への見返りに
数々の公共施設やインフラを中国の会社に注文。
そのせいでカンボジアの道路の殆どは中国製。
議会や官邸までもが中国製。
中国「南シナ海の大部分は中国のモノ!」
国際社会「なに言うてんねん」
カンボジア政府「中国様の言う通り!!!!」
www.nikkei.com
う~ん。この中国の植民地。
民主的な選挙を行ってない中国が選挙監視としてカンボジアに派遣って何の冗談です?
4:これからカンボジアはどこにいくのか
日本は独裁化するカンボジアに支援しまくってる。
これに欧米等が非難しているが、
日本からするとこれ以上、カンボジアが中国の植民地になってしまっては困る。
だって日本は結構金突っ込んだし。
2010年までは中国に抜かれるまで、最大の援助国だったくらい。
このまま日本の今までの努力が無駄になってしまうのか。
まぁでも周辺国のタイやミャンマーもきな臭いし、
もうこれダメじゃないかな…。
でもカンボジアは親日国だからチャンスあるかも。
一般の人々も日本製の家電を使ってたりする。
ほら、このカンボジアの家庭にある扇風機もシャープの扇風…