遊戯王5D'sでわかるサウジアラビアの経済危機
こないだサウジアラビアの国王が46年ぶりに来日した。
石油王がゾロゾロと日本に来るので世の中の大和撫子たちは
石油王の妻になろうとあの手この手で画策したに違いない。(偏見です)
でもそもそもなんで日本に久しぶりに来たのか?
実はサウジアラビア、経済がピンチで日本に協力を仰ぎに来たのだ。
なぜ「石油でウハウハ」なイメージのサウジアラビアが今ピンチなのか。
- 貯金の切り崩し
- 失業率の上昇と国内資金流出
- 国民の健康問題
という3つの視点から遊戯王5D'sを交えて見てみよう。
貯金の切り崩し
有名だがサウジアラビアという国は
- 電気代、水道代ナシ
- 所得税ナシ
- 消費税ナシ
- 住民税ナシ
- 医療費無料
- 教育費無料
- 住居も政府が提供
というユートピアである。
もちろん誰が金を出しているかというとサウジアラビア政府が出している。
石油利権で稼いだ金を国民に還元しているのだ。
(↓華やかなサウジアラビアの街並み)
しかしこれはサウジアラビア国民だけであり、国内人口の3~4割にあたる外国人労働者には適用されない。
石油を掘ってるのは外国人で、その旨みをサウジアラビア人が享受するというある意味ディストピア。
ここがミッドガルか…。
(↓外国人労働者の住まい)
だが、この制度も今限界が来ている。
なぜかというとまずサウジアラビア人の人口が増えすぎた。
ユートピアなのでガンガン子供を産んだのである。
(↓サウジアラビアの人口の推移)
具体的には1990年には1600万人だったが2015年には3200万人に増えている。
こうなると政府が国民に与えるお金の総額も純粋に倍増することになる。
(↓サウジアラビア政府が国民に払ったお金の推移)
しかしサウジアラビアの収入がうなぎ上りかというとそんなことはなく、
近年は石油価格暴落により稼いだお金が2013年あたりからガクッと減っている。
(↓サウジアラビア政府の稼いだお金の推移)
グラフ出典(http://ecodb.net/exec/trans_country.php?type=WEO&d=GGR&c1=SA&s=&e=)
このような事態に陥ってしまったため、
2015年で政府の貯金にあたる外貨準備高を20%近く消費してしまった。
つまりわずか1年で2割も貯金を崩したのである。(10兆円以上)
これはマズイ!
とサウジアラビア政府も思い
「さすがに電気・水道代払って!」
と懇願。
(↓電気代と水道代を払ってもらうように国民に頼むサウジアラビア政府)
しかし甘やかされたサウジアラビア国民は
「ふざけんな!今更そんなもん払えるか!」
と激怒。
(↓絶対に電気代・水道代を払わないサウジアラビア国民)
LINE MUSICが無料から有料になったら日本人もブチ切れたけど
タダから有料にするとキレるのは万国共通ね。
今日もサウジアラビアは貯金を切り崩している。
失業率の上昇と国内資金流出
若者の失業率は30%を超えているとも言われている。
しかも製造業、サービス業、建設業などは殆どやらない。
そもそもサウジアラビアは石油しか実質産業がないので若者が就きたい職業が
- 公務員
- 石油企業のホワイトカラー
くらいしかない。
仕事をえり好みしている!
と思われているが、教育費が無料のためほとんどの若者は大学卒業以上の学歴を持っているため、需要と供給のアンマッチが起きている。
これ、日本とか他の先進国と似ている。
しかしサウジアラビアの場合は先進国と違い産業がほとんどないので日本よりもかなり深刻である。
(↓自分に合った仕事がないため仕事に就かないサウジアラビアの若者)
しかもサウジアラビアの若者が金を使う先は「ソシャゲ」。
一説にはクラッシュ・オブ・クランの上位ランカーの半数はサウジアラビアや周辺国の若者とか。
なぜなら
- 暑くてスポーツができない
- 酒も飲めない(イスラム教なので)
- 大した娯楽施設もない
のでソシャゲくらいしかやる事がないのである。
しかしソシャゲは当然、アメリカ等の外国の会社が作ったものなのでサウジアラビアの若者が課金すればするほど外国にお金が出て行ってしまう。
例えば日本人がFateGOで沖田を引こうと爆死しようと日本人が作ったゲームなので日本国内でお金が回る。
対してサウジアラビアは国内でお金が回らない。
どんどんお金が出てちゃってマズイ!
とサウジアラビア政府も思い
「国内に娯楽産業作る!ついでに産業を増やしたから若者の雇用もゲットだぜ!」
と奮起。
(↓新たな娯楽産業の大会の写真)
しかし厳格なイスラム教徒なサウジアラビア国民は
「ふざけんな!イスラムの戒律破るかもしれない娯楽なんて金をつぎ込めるか!」
と激怒。
(↓女性と触れる事が禁じられているため、娯楽産業のコンパニオン女性を追い返すサウジアラビア男性)
イスラム教戒律厳しいからしょうがないね。
今日もサウジアラビアのニートはガチャを引き続ける。
国民の健康問題
サウジアラビア、実は肥満大国である。
国民の35%以上が肥満。
国民の平均BMIは30越え。ヤバイ。
(↓体重が重くなってしまったサウジアラビア国民)
なぜ肥満になるかというと
- 暑くて外にほとんど出ないし、移動も車
- 酒が飲めないのでお菓子を食べる
- 飲み会の代わりにスイーツパーティ(女性は外に出れないのでだいたい自宅でやる)
これで太らないほうが不思議だわ。
サウジアラビア南部のジザンに住むハリド・モシン・シャエリさんは一時期体重が610kgあるとか
600kgって乳牛レベルやん…
こういう風になってしまうと問題になるのが医療費である。
なぜなら肥満になると様々な健康リスクがあるからで、しかも医療費は全額政府が出している。
という事は政府の支出が今後どんどん増える!
アカン!ただでさえ減っている貯金が!
国民が太りすぎて医療費がアカン!
とサウジアラビア政府も思い
「競技場作ったで!どんどんスポーツしてや!」
と施設を整備。
(ちなみにサッカーとバスケが人気)
(↓国に整備された競技場(公道レース部門) )
しかし砂漠の気候の危険さを知ってるサウジアラビア国民は
「ふざけんな!暑いし、危ないから外出たくないわ!」
と激怒。
(↓外が暑すぎて熱中症の後遺症が出てしまったサウジアラビア男性)
ちなみにクーラーつきの競技場も増えているが国民分用意できるわけがない。
今日もサウジアラビア国民は家でスイーツを食べ続ける。
まとめ
これからサウジアラビアはどうするべきか。
正直難しい。
国土のほとんどが砂漠な上に勤労意欲が乏しく、税金ジャブジャブ。
で尻に火が付き始めている。
流石にサウジアラビア国民も不安を感じ始め、国王一族の求心力が低下し始めているとか。
まぁでもこれでも産油国の中では危機はマシなほうでもっとアカンところもあるらしい。
ちなみに「股間から石油が出るようになれば俺もウハウハや!」
って人がたまにいるけど、一日の尿が全部石油になったとしても今の石油価格だと
60~80円くらいにしかならない。
諦めて毎日、普通の尿を出してください。
次回は「辻元清美 VS 鈴木宗男 プロレスの歴史」について書きます。
(↓尿が石油になった男性)
<今日の参考図書>
数十年後に石油が枯渇する!とか言いながら、全然枯渇しない理由を教えてくれる本。
良本。オススメ。
さっきの本と同じような事が書かれている本。ちなみに同じ作者。
最後に今後の石油価格予想がついているが、この部分が割りと蛇足なので前述の本のほうが良い。
買ってはいけない。絶対、前述の本を買うように。
中東から世界が崩れる イランの復活、サウジアラビアの変貌 (NHK出版新書)
イランとサウジアラビアの国交断絶と対立を軸に中東情勢を書いた本。
中東情勢の基礎を知りたい人用。オススメ。