痩せるコーラ

自分が考えている事をまとめます。毎週木曜21時更新(予定)

ドラゴンボールでわかる経団連の衰退

最近、経団連が荒ぶっている。

news.careerconnection.jp

「残業100時間(過労死ライン越え)は妥当なライン」

「賃上げしているのに個人消費が伸びてないから賃上げは意味ない」

等々の発言から
わざと国民のヘイトを集めているのではないか?
と思わせるくらいのムーブ。

でもこの経団連
「最近は経団連の影響力が低下した」
と言われている。

それはなぜなのか。
ドラゴンボールを使って説明する。


1:バブル前の経団連

昔の企業はそんなに大きな力がなかったので
困ったときは政府に頼みごとをして聞いてもらっていた。
どれくらい昔かというとドラゴンボールでいうとピッコロ大魔王と戦う前(1980年代以前)くらい。

 ( ↓ 政府)

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政府へ頼みごとをする時に各企業の代弁者になっていたのが経団連
簡単にいうと「ドラゴンボールを集めてくれる組織」と言ったところ。

  ( ↓ 経団連 )

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もっと具体的には

  • 経団連「道路作る許可おくれー!」
  • 経団連「東南アジアを開発する権利おくれー!」
  • 経団連「俺らに有利になるような法律おくれー!」

等々を政府に頼んでいた。

こうして政府と企業は連携を深め、日本の高度経済成長は実現していった。

2:バブル崩壊

政府に護られて成長を続けていた日本企業だが、サイヤ人襲来なみの脅威が襲ってくる。
バブル崩壊である。

( ↓ バブル崩壊で金融機関による貸し剥がしに遭う企業)

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最初はドラゴンボール(政府)の力によりなんとか生きながらえていた企業も
ドラゴンボールで生き返るのは1回まで(弱い企業は死ね)」
という政府方針により倒産する企業が相次いだ。

しかもそこにアジア通貨危機という新たな脅威も舞い込む。
それによって弱い企業や金融機関は次々死んでいった。

( ↓ アジア通貨危機で来たヘッジファンド)

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( ↓ 当時の金融業界)

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こうした脅威からの防衛のために企業合併や海外移転などをし、一企業あたりのパワーは大きくなっていった。

( ↓ 生産拠点を海外移転して国内従業員をリストラし、決算をブーストする企業)

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3:パワーインフレ時代突入

こうした中、ソ連が崩壊し、アメリカ合衆国による圧倒的な軍事力を背景とした新自由主義が広まっていく。

新自由主義とはミルトン・フリードマンが提唱した考えでざっくりいうと
フリードマン「国の枠を飛び出たらもっと企業は強くなれるよ!」

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と言った考え。
要はグローバル化

これによって企業は国の枠を飛び出し、自由になっていく。
しかし国の法がないということは北斗の拳のような無法地帯になっていくという事だった。

つまりグローバル化は、北斗の拳の世界で弱肉強食なので独占に近い状態に至る可能性が高い。
力による支配で巨大な多国籍企業にパワーが集中してしまうのである。

( ↓ グローバル化によって収益を増やしていく多国籍企業に驚く同業他社)

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これによってアップル、アマゾンと言ったとんでもない多国籍企業を生み出していく。

( ↓ 圧倒的な資金力によって買収を繰り返す巨大企業)

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4:経団連と政府の役割の低下

前代未聞のパワーインフレによって大量の企業が脱落し、
金が巨大な多国籍企業に一極集中することにより、企業のパワーは政府を超えていく。

例えば小売り企業ウォルマートの年間収益はなんと4860億ドル(約52兆円)であり、イタリアの国家予算に匹敵する。
これを超える歳入がある国は日本、アメリカ等9か国しかない。

企業がパワーが政府を大きく上回る事により、政府が出来ることが少なくなっていく。
神龍がセルや魔人ブウを倒せなくなったように。

( ↓ 企業のパワーが強すぎて対応できなくなった政府)

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こうした中で政府の役割は
「市場にインパクトのありそうな企業が倒産する寸前で救済する」
くらいしかなくなってきた。

( ↓ 倒産しそうでも政府が救ってくれるので余裕ぶっこいてる大企業の経営陣 )

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これはリーマンショック中はアメリカのGMやファニーメイフレディマック
日本だとJALや渦中の東芝だったりする。

diamond.jp

企業は調子が良いときは政府を邪魔にし、調子が悪いと政府を頼る。
しかもパナマ文書によると多国籍企業は税金すら払ってないし。
都合よすぎ。

これには全世界の市民も経済界に激怒。
ウォール街を占拠せよ運動などにつながっていく。

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5:現在の経団連の行動

あまりにもパワーインフレが進んだことによって
強敵が表れてもせいぜい悟空、ベジータと言ったサイヤ人やピッコロに頼らざるをえなくなる。

( ↓ グローバル化に対応できない企業を切り捨てる金融機関)

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こうなると経団連多国籍企業の邪魔にならないように
神龍(政府)に頼む時も

  • 法人税下げて!」
  • 「労働力足りないから女性の就労を促進して!」

と言った、どの企業も賛成するようなことしか言えなくなってくる。

こうした状況が続くことで」
「ぶっちゃけ経団連もういらないよね。」
という空気になり、殆ど企業は経団連を無視しがちになる。
そして影響力の低下につながった。

これが今の状況である。

( ↓ 国内ではシェア1位でも海外だと弱い国内業界)

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6:まとめ

今までの話をまとめると

  • 企業のパワーが弱かった昔は経団連、凄かった
  • しかしグローバル化というパワーインフレによって一企業のパワーがヤバイ状況に
  • 結果、経団連はクソ雑魚ナメクジになった

ってとこ。

雑魚のくせにあまり…強い言葉を使うなよ。

弱く見えるぞ。

( ↓ 最近の経団連 )

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また関係ないけど、
最近のドラゴンボールを見たら悟空がふつうに働いていてビックリした。
サイヤ人、勤労できたのか…。
労働者として経団連に物理的圧力かけてどうぞ。

次回は「史上最低の映画? ヒラリーのラジー賞について語ります。

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<今回の参考図書>

経団連―落日の財界総本山―(新潮新書)

経団連の歴史が書かれてる本。前書きが全てで後はオマケ。

徹底検証 日本の財界―混迷する経団連の実像

...「ケイダンレン・マネー・イズ・パワーシステム」を批判した本。あまり内容が無い。

財界支配―日本経団連の実相

…「結局、今の財界は外資の言いなりにすぎない!」というフリーメイソンめいた本。一番おすすめ。