Fateでわかるフランス大統領選挙
フランス大統領がマクロン氏に決まりましたね。
1977年生まれの39歳。
安室奈美恵やTOKIO松岡と同い年。
Fateでいうと第5次で言峰綺礼くらいか。
(綺礼は設定によって年齢が2パターンある。)
若いな。
で、今回のフランス大統領選挙。
すげぇニュースで「異例だ!」って騒いでたけど、そもそも何が問題だったのか?
と日本人には結構わかりづらい構図だったので
- なんで二回投票があるのか?
- 今回の大統領選は何が異例だったのか?
- なんでルペンは負けたのか?
の3つを中心に「Fate」を交えて説明する。
1:なんで二回投票があるのか?
結論から言うと「国民の多数の支持を得るため」。
フランスは日本のように「自民強すぎワロタ」みたいな状態ではなく
多数の少数政党が乱立し、連立内閣を組織している。
そのため、大統領選では各政党が候補を立てる状態になり各々得票率が10~25%程度。
圧倒的に強いやつがいないのだ。
1人のサーヴァントが他の6人を同時に相手にできないみたいなもんね。
(↓候補者たち、いくらなんでも1VS他の全員は出来ない)
そうなると1位の人を大統領にした場合、下手したら国民の2割の支持しかないことになる。
例えば舛添要一が当選した時の舛添の得票率は35%くらいしかない。
言い換えれば「都民の3割の支持しかない」
ことになり、議会からナメられやすい。
(↓舛添の得票率は半分を超えていないので不支持の人が多い。)
それを防ぐために
投票の50%得票したものが大統領になるべし
という考えから最初の投票で上位二人を絞り
二回目のタイマン最終決戦を行うのである。
2人だったら必ずどちらかが得票率50%を超えるという仕組み。
(↓第二回投票(タイマン最終決戦)のイメージ)
では接戦だった1回目投票で登場したサーヴァント候補者を紹介する。
・セイバー(中道右派)
真名:フランソワ・フィヨン
属性:秩序・善
概要:サルコジ政権下の元首相。
移民制限賛成。緊縮財政賛成。
当初、大本命。
・アーチャー(急進左派)
真名:ジャン=リュック・メランション
属性:混沌・善
概要:元与党、社会党に所属してた人。
EU離脱派。
スターウォーズの皇帝のようにホログラムで演説した。
・ランサー(中道左派)
真名:ブノワ・アモン
属性:秩序・善
概要:与党、社会党の候補。
元国民教育相(文部科学大臣みたいなもん)
自害のような負け戦を命じられた可哀相な人。
・ライダー(急進右派)
真名:ニコラ・デュポン=エニャン
属性:中立・悪
概要:イェール市の市長。
元大統領ド・ゴールを崇拝してる一派の一人。
EUにはかなり懐疑的。
・キャスター(中道)
真名:ジャン・ラサール
属性:中立・中庸
概要:中道右派に主張は似ているが
「自分の主張は中道右派に比べて、もうちょっと左寄り」って意味わかんないこと言ってる人。
要は無味無臭。
・アサシン(極左)
真名:フィリップ・プトー
属性:混沌・悪
経歴:過激派左翼。
資本主義自体を否定し、共産革命を目指している過激派。
・バーサーカー(極右)
真名:マリーヌ・ル・ペン
属性:混沌・中庸
経歴:EU離脱派の急先鋒。
移民制限反対。緊縮財政反対。
ちなみにシングルマザー。
今回、一番有名だったオバちゃん。
・存在しないはずの8人目(EUの犬)
真名:エマニュエル・マクロン
属性:中立・善
経歴:オランド政権下の元経済・産業・デジタル大臣。(民間登用)
グローバル化推進派。エリート主義。
元々政治家ではなかった。
フランス人的には
「ろくなやついねぇな」
と思ったとか。
2:今回の大統領選は何が異例だったのか?
異例、異例って言われている、そもそも何がいつもと違ったのか。
ざっくりいうと二つ
- なぜか8人目のサーヴァント(候補)がいる
- 3騎士の早々の敗退
・なぜか8人目のサーヴァント(候補)がいる
事の始まりは現職のオランド大統領のクソ低い支持率にある。
調査によっては支持率4%のときもあった。
韓国で弾劾されたパク・クネより低いんだぜ。すげぇよな。
原因は以下の通り。
- 長引く不景気のくせに手を打たない(EU規定のせいでできない)
- 若者の4人に1人が仕事がない失業率で不満溜まりまくり。
- 国内で相次ぐテロ事件にも場当たり対応。
- 左派のくせに非常権使いまくりで強権的。
そのせいで政府の人たちが
「このまま与党勢力にいて党内で出世を目指すより、
離反して新しい政党作って党首になって
今回勝負したほうがワンチャンある」
と、単独行動可能なサーヴァントがマスターを裏切るように行動しはじめた。
(↓単独行動(既存政党の力を使わなくても当選可能)な候補)
つまり大統領選の前にはなかった政党からなぜか大統領選専用の政党が出来て、なぜか参戦。
しかもマクロンは政治家ですらなく、新党を作って党首からの政治家デビューである。
橋下徹かよ。
大多数の政治家からすると
「どこからやってきたんだよテメェ???」
という状態。
その単独行動可能なサーヴァントでマスターを裏切った候補こそ
今回当選したマクロンである。
マクロン「EUという聖杯の力から受肉しました。」
(↓立候補を表明した際のマクロン)
・3騎士の早々の敗退
いつものフランス大統領選なら主要政党の3騎士、すなわち
あたりから一人は最終決戦(第二回投票)に残る。
しかし今回は今までの政治を行ってきた主要政党への不信から早々に退場。
1クールアニメでいうと4,5話くらいでもう死んでるくらいの。
(↓国民戦線のルペンを倒すつもりの左派メランション)
弱ってた相手を次々と薙ぎ倒す極右の国民戦線。
やっちゃえ!バーサーカー!
(↓強気のルペンの支持者)
この早すぎる敗退劇により
第一回投票の1か月前くらいからマクロンVSルペンという構図はもはや決まっていた。
つまりラストバトルがギルガメッシュVSバーサーカーですよ。
イリヤが最終回まで生きてる。ただし死ぬ。
士郎と凛は多分死んだ。
バッドエンドやん。
3:なんでルペンは負けたのか?
結論からいうと
相性が弱かった。
unlimited codes(格ゲー)でもバーサーカーがギルに相性悪いし。
エリートで能力が高いマクロンに対し
武闘派だがサポートが必要なルペン。
直接対決で討論をするとルペンはボコボコである。
ルペン「このデータによるとフランスはこのままだと終わりだ!」
マクロン「そのデータ古いぞ!控えろ!雑種!」
(↓討論でボコボコにされるルペンとその支持者)
アメリカのヒラリーとトランプの場合もワンサイドゲームだったが、
あの時ヒラリーは具体的提案を出さなかったので、
「ヒラリーもぶっちゃけ大したこと言ってないよな」
と思われてしまって、あんま意味なかった。
対してマクロンは
- 富裕層優遇する!
- 公務員を大量にクビにする!
- 聖杯(EU)パワーで富裕層に金与えて景気は回復!
と平民を雑種とバカにしたような政策ながらも考えをハッキリさせており
「まぁ聖杯(EU)あるから大丈夫やろ」
とフランス国民に印象づけた。
貨幣ユーロから抜けたくないしね。
なお、聖杯(EU)は汚染されている模様。
結果は圧勝。
(↓マクロン圧勝で心をもがれたルペンの支持者たち)
4:まとめ
さっきも言ったがマクロンの政策の根幹は
「EUパワーで金持ち優遇!金持ちが人を雇うから万事解決!雑種は死ね!」
という考えであり、超エリート主義である。
こんなんで上手くいくんすかねぇ…
まぁルペンでも絶対上手くいってないけど。
(そもそもEUの構造上詰んでるかも?)
やっぱり、ここはフランス救国の英雄の佐々木小次郎さんに助けを願おう。
(↓小次郎がドラゴンを倒す同人ゲーム。ちなみに私が作ったので熱い宣伝です。)
ゲーム制作サークルGAPCOM (←ゲームサークルのブログ)
次回は「ついに憲法改正? 護憲デモの行方」について書きます。
<今回の参考図書>
在英歴が長い筆者からEUのヤバみを感じられる本。
現地の実情を知りたい人向け。