世紀末国家伝説 ジンバブエ
歴史的ハイパーインフレ
ハイパーインフレで有名なジンバブエがついに自国通貨を廃止にした。
通貨の価値が次の日には半分以下になってた時期もあるし、半端無かった。
最終的に1ドル=3京5千兆ジンバブエドルとか…。
英語圏とかミリオン→ビリオン→トリオン→次の単位なんだっけ???って状態になってるし。
なぜこうなったかというと政権がアカン事で有名であるが
実はジンバブエ、かつては「アフリカの優等生」と言われる程の国だった。
教育に力を入れた事で識字率が高まり医療に力を入れた事で乳児死亡率を下げ、平均寿命が伸びた。
その政策によって優良な労働資源が多数生まれ工業も発展しつつあった。
また土地は緯度の割には高地の草原なので土地が豊かで農作物が良く育ち「穀物庫」と呼ばれ優良な地下資源もあるので周辺国と比べると比較的豊かな国だったのである。
この上手く行ってる時と政権変わったのか。と思うかもしれないが、実は一緒である。
その政権の中心にいたのが有名な「ムガベ大統領」。
なぜ「アフリカの優等生」ジンバブエでハイパーインフレが起きてしまったのか。
以下のアプローチで見てみよう。
ジンバブエとはどういう国か
ジンバブエは昔、南ローデシアという名前だった。
当時の国旗はどんなのかというとこんなの。
元々、どこの植民地だったか丸わかりだね。
そうイギリスの植民地だった。
で、1950年代からインドみたいに独立の機運が高まる。
国際世論的にも「植民地とかダッセーよな。帰ってプレステやろうぜ」って感じだったし。
しかし上手くいかなかった。
どういう事かというとジンバブエでは以下のような出来事があったのである。
イギリス「国際世論厳しいし、そろそろ植民地手放したい。現地黒人中心の独立国にさせよう」
イギリス「その前準備として黒人の参政権を認めたよ」
黒人(現地)「やったぜ!」
白人(現地)「ふざけんな。そんな事したら俺らの権力や財産が奪われるじゃねーか!」
イギリス「いや他の元植民地は皆やってるぜ」
白人(現地)「イギリスの言う事なんて聞けるか!私は勝手に独立させてもらう!」
1965年 ローデシア共和国の独立を宣言
イギリス「ちょwww イギリスから派遣された総督追い出されたんだけどww」
白人(現地)「白人による黒人支配を続けるんじゃー!」
黒人(現地)「」
こうして白人10%以下によって黒人90%以上を支配するディストピアが形成されたのである。
もちろん黒人も全員が素直に従うわけではなく、抵抗をしまくった。
その抵抗勢力の陣頭に立っていたのがムガベ大統領である。
ムガベとはどういう人か
彼の写真を見ると一瞬でわかる事がある。
そう当たり前だが、黒人である。
1965年に一方的に独立を宣言したローデシア共和国(現ジンバブエ)であるが黒人の抵抗と人種差別的政策に対する国際的圧力によってジワジワ追いつめられていた。
そして1980年、ついに屈し黒人初の首相が誕生しジンバブエとなったのである。
その首相こそがムガベである。
彼は今も大統領なので35年間もジンバブエのトップにいる事になる。
91歳だが…。
つまり彼は白人との闘争の末、首相/大統領になった武闘派であった。
白人への憎しみは半端じゃないし、白人憎しの政策は国民ウケが良かった。
しかし、その思想がハイパーインフレを招く事になる。
何をしたらハイパーインフレになってしまったのか
彼は選挙の際、公約した事がある。
それは「白人の財産を没収して黒人に分け与えるよ!」って事。
日本でも「金持ちの資産を接収して貧民に分け与えろよ!」って人いるけどそれと一緒。
この意見は多数派の貧民層にはウケが非常に良い。
金持ちに溜飲が下がる思いをさせられる!ぎもぢい゙い゙ぃ゙ぃ゙ぃぃぃ
でもこんな事したらヤバいって事は冷静に考えればわかる。
誰も金持ちになれないって事だし金持ちが海外逃亡しちゃうの目に見えてるしね。
そんなわけでムガベも最初は「白人の財産没収」みたいなバカな事はしなかった。
白人と黒人の融和政策で円滑な国家運営を目指したのである。
良い指導者じゃん!
だが社会が発展すればするほど生まれるのが経済格差。
不満が溜まりまくり、2000年くらいになるとムガベの人気も陰りが出始めた。
で、国民は叫び始める。
「白人の財産を没収して黒人に分け与えろ!」
そしてムガベも人気取りの為に「白人の財産没収」を実行してしまう。
そこからが転落の始まりだった。
流れはこんな感じ。
- 大半の白人や外資系企業は外国へ逃げる。
- 技術の低下により農業や工業が立ちいかなくなってインフラや食糧がピンチになる。
- 実質、経済制裁状態になり、物資が不足する。
- 物資不足を埋め合わせる為に物資は貯め込まずに安く売らないといけない法律が出来る。
- 利益を出せないので企業が倒産する。更に物資が不足する。
- 物資が全く出ないのでどんどん値段が挙がっていく。(←ハイパーインフレ)
- \(^o^)/
こんな状況で具体的にどうなったかというと
- 企業が潰れたので大量の失業者が出る。
- 貯金が無になる(通貨の価値が下がった為)。
- 月給の給与の価値がカスになったので、仕事がある人もバカバカしくなって辞める。
- 警察、役所などの公務員も全員辞めた事によって無政府状態に。
- 金を手に入れて買うよりも奪うほうが効率的。
- ヒャッハー!
世紀末やん。
だがこれはジンバブエ国民が望んだ事である。
まとめ
まとめるとハイパーインフレの主たる要因は「行き過ぎたポピュリズム」である。
つまり国民の多数を占める黒人貧民層に媚びを売った結果、国が逝ったという事。
「バカが国を運営した結果」とよく言われるがそれだけじゃない。
ポピュリズム政治で有名だったヒトラーが書いた「わが闘争」でこう述べている。
「宣伝は、学識のあるインテリゲンチュアに対してではなく、永久に教養の低い大衆に向けてあるべきである」。
つまり「エリートよりも大衆味方つけちゃえば良いじゃん」って事。
ムガベがやった事はまんまこれ。
最近、日本でも小選挙区制や先の大阪市の住民投票の影響で
「民意を問え!世論に従え!住民投票しろ!」
を繰り返す評論家がいる。
確かに民意を問うのが大事な場合もあるが「民意」や「世論」に従うだけの政治は危険な場合もある。
ま、要はバランスだよ!バランス
しかしジンバブエ通貨アマゾンで買うと12000円なのか
良い商売だな!