池上彰は何故面白いのか?
池上彰を知ったきっかけ
池上彰と言えば、私が小学生の時は日曜の朝に見る事が出来るオッサンだった。
皆さんもそのような感覚だったのではないか。
「このオッサンこの番組でしか見ないなー」と何も知らない子供の私は思っていたがNHKの職員だったのだから当たり前である。
ところが今やどうだろう。
新聞・雑誌・TV・ネットと池上彰の名前を見ない日のほうが珍しいのではないか。
TVに出るの控えると言ってた割にはバンバン出てる気がする。
つまりパワーをセーブしてこれ。
「池上彰の本やTVを楽しんでいるような奴らは解説してくれないと新聞も読めない低能だ!」
という人も多いがコレは池上彰の一部しか知らない人である。
池上彰コンテンツのジャンル
池上彰が提供するジャンルは主に3つに別れる。
- ニュース解説
- ライフハック
- 対談
ニュース解説
皆さんがもっとも接するタイプの most popular 池上 である。
TVだと「学べるニュース」、「未来世紀ジパング」。
本だと「そうだったのか!○○」シリーズ
東工大での講義もこれに当たる。
このジャンルの特徴としては、良く勉強してる人にとっては割と当たり前の事を言ったりしている。
それはそうで池上彰は特定のジャンルのスペシャリストではなくて、色々な事を知ってるジェネラリストである。
取材もかなりしているが中東なら中東でその分野に一生をかけたようなジャーナリスト(亡くなった後藤さんとか)がいるわけでそのような方々には、いくら池上彰でも叶わない。
しかしこのようなスペシャリストが言う事は我々一般ピーポーからするとチンプンカンプンだったりする。
福島原発事故の時に原子力の専門家がTVに出て丁寧に解説してくれたが、それでもお茶の間の9割は「わからん!」だったのである。
スペシャリストの人はその分野に関わりすぎて、一般大衆の理解がどの程度なものか、把握できてない事が多い。
そこで大衆とスペシャリストの間を取り持つ橋渡し的な役割が必要になる。
本来それは新聞やTVなどの報道機関の役割なのだが、組織や風土が変わらないまま数十年やってきたせいで、大衆に合わせる事が出来なくなってしまった。
その報道の世紀末という状況に降り立った、解説真拳の真の継承者こそ池上彰だったのである。
ライフハック
TVだとこのタイプの池上の登場は少ない。
本だと「伝える力」「池上彰の新聞活用術」
このジャンルの特徴は
「大衆のお前ら!ニュースちゃんと見ろよ!」
「報道機関はもうちょっと大衆に合わせろよ!」
という2大煽りで構成される。
基本的に池上彰という人は
「こういう問題があって放置された結果こんなに大きくなってしまった!」
とあたかも大衆サイドの代弁者として政治家を批判した後で
「まぁニュース見ないで気づかないで放ったらかした有権者がクソなんだけどな!」
とdisりまくる。基本的に誰の味方でもない。
その一匹狼な池上彰が
「お前らコツ教えてやっから、低レベルすぎる頭もうちょっとレベルを上げろや」
というメッセージが常に発信されているのである。
対談
その名の通り、有識者と対談するコンテンツ。
ぶっちゃけ最もインテリ用で最も役に立つジャンルである。
先ほど「池上彰はジェネラリストであってスペシャリストではない。スペシャリストの知識には叶わない」と言ったが、このジャンルは
「スペシャリストの知識を対談で引き出す」
ことに重きを置いている。
対談相手は元官僚だったり、宗教学者だったり、ダライ・ラマだったりする。
大抵は池上彰の誘導に対談相手が詳しく答えていく形である。
対談する人も池上彰に質問してもらう事で話しやすくなっているし、伝わりやすい形で知識を披露出来る。
その議事録を池上彰が纏めるんだから
と一石三鳥である。
このジャンルを嗜んだら立派な池上ニストになれるかもしれない。
池上彰は何故面白いのか
大衆の階層を大きく分けると
- 全くニュースわからないよ 所得低いよ層
- まとめブログとかで政治ニュースみてわかった気でいるよ層
- 鼻持ちならないインテリ層
に分けられる。
この3つの階層にそれぞれ池上彰の3つのジャンルのどれかが突き刺さっている。
どの知識レベルでも楽しめる池上彰が存在しているのである。
つまり池上彰は相手によって色んな顔を使い分ける事が出来る、スーパーテクニシャンなのである。
しかし「池上彰の宗教がわかれば世界がわかる」のトリが解剖学者の養老孟司なのは人選のチョイスが謎です。
養老孟司が
「そろそろ死ぬから選ばれたのかな?」
「天国なんてねぇんだよ!目覚ませよ!」
と絶好調で笑いましたけどw